2005年02月28日

小次郎

コロのともだち   
小次郎



小次郎は黒い小さな柴犬だ。生後間もない頃から見ているけれど、あまり大きくならないのでいつまでの仔犬のようだ。
軽いフットワークで跳ねるように走り回る姿は、とても楽しそうにみえる。走り回るのがうれしくてしょうがない様子が感じられて、見ている僕たちの方も楽しい気分になってくるのだ。

めったに吠えない大人しい柴犬だから、小次郎は公園にやってくるみんなに可愛がられている。

飼い主のおじいさんと顔見知りになり毎日あいさつを交わすようになった。たまにおじいさんがお孫さんらしい小学生と一緒に小次郎を連れているのを見かけるが、いつもはおじいさんが一人で小次郎と散歩している。

僕は年寄りが犬を連れている姿が好きだ。一人でベンチに座って所在無さ気にしている老人はいかにもさびしそうだが、その側に一匹の犬がいるだけでこちらの気持ちも穏やかになるような気がする。
余計なお世話かもしれないがそう思ってしまうこと自体、動物による癒しのような気がするのだ。この場合見ている僕にとっての『癒し』なのだが…。
この人間好きなちいさな人類の友達はその存在だけでも、都市生活に疲れた僕たちを癒してくれているのだと思う。

2年程してから公園で立ち話をしている時に、僕は小次郎がメス犬だと気がついた。

「小次郎はメスなのですか?」

驚いてそう尋ねると、飼い主のおじいさんは平気そうに

「いやぁー、前に飼っていた犬が小次郎という名前だったから…」

といった。


「???」

大丈夫かぁーじいさん。

メスなのに小次郎なんて名前をつけられて可哀想な小次郎は、そんなことはお構い無しに幸せそうに毎日散歩している。

めったに吠えないのはメス犬だったかららしい。
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2005年02月27日

ウィッシュボン

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ウィッシュボン



コロが初めて外の散歩をはじめた頃、ほとんど同じぐらいの黒ラブの仔犬と知り合いになった。
小学1年生のシュン君という少年とお父さんがメスの仔犬を散歩させていた。
それがウィッシュボンだった。。
ウィッシュボンと言う名前はアメリカのTVドラマから名づけられたらしい。


それ以来、散歩の途中でよくシュン君が一人でウィッシュボンを散歩させているのに出会うようになった。まだ仔犬で言うことをよく聞かないらしく、シュン君の方が引きずられるようにして歩いていた。
コロは初めてできた同世代の友達がうれしいのか、ウィッシュボンと会うとケンカしているような激しいじゃれ合いを毎回するようになった。


シュン君はとても元気のいい小学生で、僕と出会うとどこでも大きな声で、

「コロのおじさん!」

と声をかけてきてくれた。
照れやハニカミとはまだ無縁らしく、とても大きな声で「おはようーッ!」という。

ある時、近所の大きな池のある公園で散歩をしていたら、僕を見つけたシュン君が池の向こう側から大声で、

「コロのォーおじさーんッ!」「おはようーー」

と叫んできた。

50メートルほど向こうから大声で挨拶してくる少年に思わず僕はたじろぎながらも

「おぉ…おう…」と答えた。

まだ自分の子どもが生まれる前だったので、こんな素直な子どもが僕には眩しいような気がしたのだ。

最近ではシュン君も高学年になっていそがしいのか、彼がウィッシュボンと一緒に散歩しているのには出会わなくなった。

時々、車でシュン君の家の前を通ると、ウィッシュボンがつまらなそうに道路を見ているのを見かける。
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2005年02月25日

エース

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エース



エースはとても小さな子犬だった。初めて出会ったときはとてもゴールデンの子犬には見えないくらいに痩せてヒョロヒョロとした仔犬だった。
コロが散歩を始めてまもなくの頃だ。生後6ヶ月のコロに比べるととてもひ弱そうに見えた。
そのくせ元気だけは人一倍あって追いかけっこをして走っても勢いあまってひっくり返ってしまう。

そんなエースも1年が過ぎ2年が過ぎるころになると、たくましく毛がフサフサのぶんだけコロよりも大きく太って見えるようになった。

エースは鼻にしわを寄せて唸る癖がある。
怒っているのかと思うとそうでもなくて、仲良く遊んでいる最中でも,この鼻にしわを寄せて唸ったりするのだ。とぼけた顔で鼻にしわを寄せるので笑ってしまう。

エースの朝は早い。
平日は毎朝、飼い主さんと夜明け前のまだ暗いうちからジョギングしている。
(ということを知っている僕も暗い中を懐中電灯をもって散歩しているのだけど)

毎日5時半には散歩にでかけるらしい。夏ならいいけど冬の5時半というとまだまだ真っ暗だ。
でも僕もそうだけどサラリーマンの家庭で犬を飼うと、朝の散歩は早くならざるを得ない。都心への通勤時間を考えると散歩を6時前になってしまう。

そんな苦労も『犬を飼う生活』の楽しみを考えると、しょうがないと思うのだ。
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2005年02月24日

オスカーとメグ

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オスカーとメグ



オスカーはゴールデンレトリバーだ。
コロよりも一回り大きいので体重は40キロを超えているだろう。
コロとは一ヶ月違いの同じ年生まれなので、仔犬の頃からいっしょに遊んでもらっている。

普段僕は公園の中で他の犬がノーリードで遊んでいても、コロのリードを離したりはしない。どこに飛んでいくか分からないので危なくてしょうがないのだ。
だが、このオスカーといっしょの時には安心してリードを離すことができる。コロはオスカーが好きでしょうがないらしく、彼の後ばかり追いかけてその周りでじゃれているだけだから、捕まえようと思うと簡単に捕まえられるからだ。

コロはオスカーを見ると必ず後ろから馬なりになって『ヘコヘコ』しはじめる。僕がいくら「やめろッ!」と言っても、この犬に出会うと必ずこの『ヘコヘコ』が始まってしまうのだ。
オスカーもコロもオス同士だし、コロは去勢しているというのに、この『ヘコヘコ』は仔犬の頃からやめようとしない。
不思議なことにコロはオスカー以外の犬に対しては決してそんなことはしないのだ。

またオスカーもコロが『ヘコヘコ』するのには黙って許してくれている。飼い主さんによると他の犬が同じようなことをしようとするとオスカーはひどく怒るらしいのだが、コロにだけはどういうわけか、この無礼な振る舞いを許してくれているみたいだ。

オスカーは体格がいいので見栄えがする立派なゴールデンレトリバーなのだが、気がやさしいくておっとりしているところが僕は好きだ。



オスカーはいつもメグという犬といっしょに散歩している。メグは狸のような顔をした芝犬系の雑種だ。

この犬はこの公園に棄てられていた犬だった。
まだほんの生後一ヶ月くらいの頃にこの公園に棄てられていたのを、いつもの散歩仲間の僕たちが見つけたのだ。夏の暑い日でそのままにしておいたらすぐに死んでしまっていただろう。

もらい手がいなかったこの犬をオスカーの飼い主さんが引き取って育てているのだ。
この犬も人懐っこい犬で誰にでも愛想を振るまき、オスカーやコロと追いかけっこをして遊んでいる。
そうやってひとしきり遊んだ後、いかにも血統のよさそうなゴールデンのオスカーと狸のような雑種のメグがいっしょに、幸せそうに帰っていく。
見ていてとても気持ちがいい光景だ。


posted by ころすけポー at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | コロのともだち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月23日

ドーベルマンのカレン

コロのともだち
ドーベルマンのカレン



コロの散歩の途中いつもの公園の入り口付近で、犬を連れた人たちが、

「おい、ドーベルマンがいるよ」

とビビっている声が聞こえた。
公園の中に入っていくと茶色いドーベルマンを連れた人がいる。


「なあぁんだぁー、カレンじゃないかぁー」
僕よりも先にコロの方がカレンに気がついて、猛烈に吠え始めた。



確かにドーベルマンと言う犬種はイカツイ顔をしていて見るからに怖そうだ。このカレンというメスのドーベルマンもコロを見かけると物凄い勢いで吠えてくる。コロも負けずに吠え返すので知らない人が見たら、とんでもないケンカが今にも始まりそうな感じなのだ。

だが、このカレンはドーベルマンのくせに気が弱いというかメスだからなのか、コロの前にくるとあれだけ吠えていたのがウソのようにおとなしくなって、子犬のようにじゃれ始めるのだ。
さらにコロの前で寝転がりお腹を見せて服従のポーズまでとっている。
おとなしくて人好きな、いい犬だ。

コロに対してだけなのかと思っていると、そうでもなく他の小さな犬に対しても気弱そうに接しているカレンを見ると、人は見かけによらないものだ(人ではないけど…)と改めて思う。

人も犬も見かけで判断してはいけない。

ドーベルマンの怖い顔を見ていると、ギリシャ神話に出てくる死者の国の門番はきっとこんな犬だったんだろうなと思う。

そんな怖い顔とは裏腹に、寝転がっていつもへらへら笑っているカレンが僕は好きだ。
posted by ころすけポー at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | コロのともだち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月22日

第28話 食事の我慢「ヨシ」

食事(えさ)の時、コロは誰かが『ヨシ』といううまで、じっと我慢している…という話は前回書いた。


そんなに強く教え込んだつもりはないのだけど、コロはかたくなにこれだけは忠実に守っている。
ドッグフードの入った器を前に置いてやっても、あるいは彼の大好きなパンの耳 (こんなんが大好きで、トーストが焼ける音がすると耳がもらえると思って喜んだりする) を与えても、決してコロはそのまま食べようとはしない。

誰かが「ヨシ」といってくれるのをじっと待っているのだ。

人間の言う事なんかそんなに一生懸命にきくことはないのだよと、僕は思う。

コロにもそう言っているのだが、『誰かからヨシという声がかかるまでは食べない』と、コロは自分で決めているらしく、その自らが決めたルールを頑固なくらいかたくなに守っている。


ある日、僕がこの「ヨシ」というのを言い忘れて家の中に入ってしまったことがあった。

しばらくして外でコロが鳴きだした。
また散歩している犬が通りかかったのだろうと思っていたのだが、なかなかその鳴き声がやまない。

「なに騒いでんだよー」

と外に出てみると、すわったままのコロが怒ったように僕に向かって吠えた。

コロの前には一口も食べていないエサの器がそのまま置いてある。
かわいそうに、エサを目の前にしてずーっとお預けをさせてしまっていたのだ。


「ごめんなぁー、コロ…」

僕は、慌てて「ヨシ」と命令したけれど、あっという間にドッグフードを食べてしまったコロに申し訳なくて、ビーフジャーキーやニボシをあげてご機嫌をとった。

散歩の時の他の命令には、ずいぶんいいかげんに聞き流すことも多いのに、コロは食事の「ヨシ」だけは、何故だかわからないけどいつもこんな感じなのだ。



posted by ころすけポー at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | コロとの日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月19日

第27話 エサの時間

ケイタとコロ


この頃、ケイタはコロの散歩から帰ってきた後、コロの身体を拭いたり、エサをあげたりするのを手伝うようになった。
「お父さんのお手伝いをするんだ」と言っているものの、本心は少しでも長く外で遊んでいたいというところらしい。

ドッグフードの入った器を持ったケイタに、喜んでコロがまとわりついてくる。

ケイタが、

「バァック、バァック」

と、後ろに下がらせておいて、得意そうに、

「スワレ」 「マテ」 と言っている。

そんなケイタの言葉に、コロが機敏に反応して従っている姿は、その反応が素早いだけに(食べたいあまりなのだが)いじらしいくらいだ。
幼稚園の年中組でも小さい方のケイタの体重はまだ18sしかないのけど、そんなチビにほぼ倍の35sのコロが素直にしたがっている姿は、何度みても思わず笑ってしまう。。


普段のコロはケイタの指示に従うことは、まずない。
だが食事の時だけは別だ。ドッグフードを目の前にすると、食べたい一心から何でも言うことをきく『おりこうな犬』になってしまう。

最初のうちはこの食事前の命令ですら、ケイタの言うことは何一つコロはきいてくれなかった。
コロは食事の時に誰かが「ヨシ」と声をかけてくれるまで決して自分から食べようとはしないのだが、その「ヨシ」という命令ですら、ケイタではダメだった。

食事の器を前において、ケイタに「ヨシ」と言わせても、コロはキョトンとしているだけで反応しようとはしなかった。コロ自身は食べたくてしょうがないのだけど、ケイタの言葉では食べようとしないのだ。
犬が人の言うことをきかない時は、「その人が何を言っているのか」が犬に伝わっていない場合が多い。
ケイタの「ヨシ」がコロに通じていなかったらしい。

「ケイタぁー、エサを指さして、『ヨシ』っていってごらん」

何度か文字通り指をさして、指示をあたえると、コロもだんだんケイタの言うことをきくようになった。

あくまで、食事前の時だけなのだが、そうやって手で合図しながらだと「スワレ」「フセ」の命令も、コロはケイタの言うことをきいてくれるようになっていった。



エサの器を前にして、ケイタが偉そうにコロに命令をしている。

「スワレ」 「フセ」 「スワレ」 「お手」…

一通りやってからでないと、コロは「ヨシ」と言ってもらえない。
コロにとっても辛いことだけど、この気のいい犬は何とかケイタに調子をあわせてくれている。



posted by ころすけポー at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 豚児とコロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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