2005年06月03日

第33話 コロ、Good Job !

いつものように休日の夕方、コロをつれて公園に散歩に出かけた。近くにある大きな池のある公園だ。
大きな池の周りが遊歩道になっていてその周りを一回りしてくるのがコロのいつもの散歩コースになっている。この池のカモや鯉にコロが敵意を持っているということは前回書いた。

遊歩道にはところどころにベンチが置いてあって、いつもは近所の老人達が暇そうに集っているのだか、その日、みなれない若いカップルが座っていた。

若い男女が人目をはばからず、いちゃついている。会話のはしばしから推測すると、いかにも頭の悪そうなバカカップルらしい。電車の中などではよく見かけるけれど、こんな老人と子どもの遊び場になっているような公園ではあまり見かけたことがなかった。

恋愛中は瞳に霞がかかって相手が実物以上によく見えてしまうものだ。かのスタンダールもその恋愛論で「どんなヘチャムクレの若い女でも、恋する男の瞳には絶世の美女のように見えている」と言っている。この男も隣に座っているブタとマントヒヒを足して山田花子で割ったようなご面相を、上戸綾やシャラポワのように思っているのだろう。


こんなバカカップルを見かけても、心ある大人は「ああ、サルどうしが発情しているのだな」と思うくらいで、見てみない振りをするものだ。
コロを連れた僕も見ない振りをしてそのベンチの前を通り過ぎようとした。

断っておくが、僕もコロもこのカップルの邪魔をしようとは少しも思っていなかった。


二人の前を通りすぎようとすると、コロに気がついた女の方が男に話している声が聞こえた。

「かーわいいぃー、大きな犬って、いいよねぇー…あれは、ゴールデンレトリバーだよね、あたしも飼ってみたいなぁー・・・かわいいー」


鼻につく『かわぁーいいぃー』というアクセントに、違う!ラブラドールだ、と思いつつも僕は聞こえない振りをして、そのイチャついたカップルの前を通りすぎようとした。

その時だ。僕の左側をおとなしく歩いていたコロがお尻をもぞもぞと持ち上げて踏ん張り始めた。間が悪いというか、よりによって2人のいるベンチの真正面で、ウンチをはじめてしまった。

はしゃいでいた男女の会話が止まった。横目でも気まずい雰囲気の沈黙がわかる。

道幅があるから3、4mは離れてるとはいえ、狙ったかのようにベンチの真正面だった。その日のコロは調子がよかったのかいつもより大量にいいウンチがでた。

生き物を飼うということは、かわいいだけじゃなくてこういうことだよなぁーと思いながら、僕はコロのウンチをビニール袋で拾った。その間も、こみ上げてくる笑いをかみ殺すのが大変だった。

何も気がつかず、ああーさっぱりしたという顔のコロを促して、僕は歩き始めた。しばらく行った後に振り返ると、ベンチに座っていたカップルが去っていくのが見えた。


コロが意図したことではないけれど、あまりにタイミングの悪い(良い)出来事だった。
狙ってもこれほどうまくいくとは思えない。

頭をなでながら、僕は声をかけた。

「コロ Good Job !」

何もわかっていないコロはいつものようにシッポをふってニコニコした顔で僕を見上げていた。
posted by ころすけポー at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | コロとの日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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